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実験コーナー
2021.04.14
被覆熱電対線のご紹介(実験コーナー 番外編)
4月に入り、新年度がスタートしました。
モノづくりや実験などで、新たに熱電対をご使用になられる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、実験コーナー番外編として、弊社の被覆熱電対線を簡単にご紹介します。
なお、今回は熱電対の基礎となる原理や法則等は割愛します。予めご了承ください。
〇熱電対
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- 熱電対とは
熱電対は、一言でいうと「温度計」です。主に工場の製造ラインの温度測定や企業の研究室での温度測定に使用されています。 - 熱電対の種類
熱電対には大きく分けて以下の2種類があります。
①保護管型熱電対・シース熱電対
②被覆熱電対線
それでは、この2種類についてご案内します。
①保護管型熱電対・シース熱電対
導体を金属や鉱物などで覆い保護した熱電対。工業測定用で広く使用されています。
②被覆熱電対線
柔軟性が有り、自由な長さで使用できる安価な熱電対です。
応答速度も速く、一端を電気的に接続することで容易に温度測定が可能です。
主に企業の研究や実験、簡易検査等で使用されています。
測温部分の導体が剥き出しになっている為、シース熱電対と比べて寿命が短い特徴があり
ます。
- 熱電対とは
〇熱電対選定のポイント
熱電対選定の主なポイントは以下の3点です。
- 熱電対には種類があります。
熱電対には「N」「K」「E」「J」「T」「R」「S」等の種類があります。
(被覆熱電対線は「N」「K」「E」「J」「T」のみ。)
それぞれ使用している金属の組み合わせが異なり、使用に適した温度や環境も異なります。
※被覆熱電対線の種類の詳細についてはこちらよりご覧ください。
https://www.ninomiya-ew.co.jp/product_cat/tcw/ - サイズ
導体サイズが細い程、応答速度(※)が早く、寿命が短い特徴があります。
導体サイズが太い程、寿命が長く、応答速度が遅い特徴があります。
※応答速度:温度表示が測定物の温度に到達する時間。測定物の温度変化に追従する早さ。 - 被覆材質
計測したい温度の使用環境(温度・湿度・水中・大気中等)により、使用する被覆材質を
選択します。ここでは、弊社で扱っている代表的な被覆材質3つをご案内致します。
〇被覆熱電対線の測温接点の作り方と温度計測のポイント
被覆熱電対線測温接点の作り方として、代表的な3つの方法を以下にご紹介致します。
- T.I.G(Tungsten Inert Gas)溶接
アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気中で、「+」と「-」を電気的に接続する方法です。
不活性ガス雰囲気中で溶接する為、溶接金属への不純物混入が極めて少なく、高品質です。 - 半田付け
複数の熱電対で小さな面積の個体温度を測定するときは、捻じる長さを出来るだけ短くして半田付けする等 接点の形状は同じようにして、測定部分との接触の仕方(設置)も同じようにする事で、より ばらつきが少ない測定が可能となります。
- ねじり
ねじる方法で接点を作られる場合は複数の接点が出来ますが、先端ではなく一番手前の接点の温度を計測します。平面などの温度を測定される場合はご注意ください。
また、温度変化がない均熱部(例えば静止空気中)で測定する場合は、接点の形で温度のセンシングに差は出ないと言えます。
※ねじった場合の温度計測につきましては、下記URLでの実験も併せてご参照ください。
https://www.ninomiya-ew.co.jp/information/660
〇まとめ
・弊社で製造している熱電対は、被覆熱電対線のみ。
・熱電対には種類がある。
・測温接点の作り方はTIG溶接が望ましい。
ご不明な点、弊社製品についてご相談したいこと等ございましたら、ホームページ右上にあります[お問い合わせ]よりご連絡をお願いします。
次号もお楽しみに。