二宮電線工業株式会社 Ninomiya Electric Wire Co.,Ltd.60th Anniversary

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実験コーナー

2021.02.15

被覆熱電対線をねじって使用した場合どの部分の温度を測定するか。

2021年は月に1回、お客様より定期的にお問い合わせをいただいている内容について、実際に実験を行い、その結果をご紹介しております。
今回のテーマは、「被覆熱電対線をねじって使用した場合の温度測定について」です。

■テーマ
被覆熱電対線をねじって使用した場合どの部分の温度を測定するか。

〇仮説
複数個所ねじった場合、先端ではなく、一番根元(計器側)の温度が計測される。

・使用製品
0.32×1P K-2-6F-J2(従来品名:K-6F)

〇検証方法
①:被覆熱電対線を以下のように2箇所ねじり温接点を作る。

②:①を対象物(今回は湯)に触れさせて、その際の温度を測定する。

③温接点Aを湯に入れる。

少し温度上昇が見られたものの、温度が大幅に上昇する事はなかった。
この温度上昇は、お湯から出ている熱で、温接点Bが温められた事によるものと推測される。

④温接点Bも湯へ入れ、2点共湯に漬からせる。

温度が大幅に上昇している事から、お湯の温度を計測している事が分かる。

〇考察
今回の実験結果より、仮説の通り複数個所ねじった場合、先端ではなく一番根元(計器側)の
温接点の温度が計測される事が証明された。
以上

被覆熱電対線を用いて温度計測する際、TIG溶接やはんだ等を使用せず、導体をねじって使用される場合は、今回の実験を参考にして頂き、測定箇所に注意してご使用ください。

次号もお楽しみに。