二宮電線工業株式会社 Ninomiya Electric Wire Co.,Ltd.60th Anniversary

INFORMATIONNinomiya通信

実験コーナー

2022.04.13

K熱電対用の補償導線の種類は3つある

4月に入り、新年度がスタートしました。
モノづくりや実験などで、新たに熱電対や補償導線等の弊社製品をご使用になられる方もいらっしゃると思います。 そこで今回は、K型熱電対用補償導線の違いについて簡単にご紹介致します。
また、補償導線のご紹介(実験コーナー 番外編~その2~)にて補償導線全般についての説明を記載しております。

〇K型熱電対用補償導線の種類

K型熱電対用補償導線には『KX』『KCA(WX)』『KCB(VX)』という3種類が存在しています。 この3種類についての主な違いは以下の通りです。

①KX(高精度用)


※画像の識別:JIS C1610-1995 区分2
K型熱電対と同じ金属材質を使用しており、200℃までの広い温度域で安定した精度。許容差『クラス1』の設定がある。
『KCA(WX)』『KCB(VX)』と比べて高価。

・補償接点温度:-25~200℃
・金属材料
+)ニッケルクロム合金
-)ニッケル合金
・簡易的な見分け方
-側に磁性がある。

②KCA【WX】(耐熱用)


※画像の識別:JIS C1610-1995 区分2
150℃までの高温域で使用できる、主にガラス編組の汎用タイプ。
KXに比べて価格が安い。 許容差は『クラス2』のみ。

・補償接点温度:0~150℃
・金属材料
+)鉄
-)銅ニッケル合金
・簡易的な見分け方
+側に磁性がある。

③KCB【VX】(一般用)


※画像の識別:JIS C1610-1995 区分2
主にビニル被覆の汎用タイプ。 KXに比べて価格が安い。
許容差は『クラス2』のみ。

・補償接点温度:0~100℃
・金属材料
+)銅
-)銅ニッケル合金
・簡易的な見分け方
+側に銅を使用している為、他の金属と色が異なる。

※補償接点温度とは

熱電対と補償導線を接続する箇所の温度です。
熱電対で測定する温度ではない為、ご注意ください。
以上のように、K型熱電対用補償導線3種類には、それぞれの特性があります。
ご選定の際には、これらの特性をふまえてお選びください。

ご不明な点、弊社製品についてご相談したいこと等ございましたら、ホームページ右上にあります[お問い合わせ]よりご連絡をお願いします。

次号もお楽しみに。

記事にて紹介した簡易的な導体の見分け方の動画はこちらよりご覧いただけます。