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実験コーナー
2021.08.18
補償導線で温度計測は出来るのか
2021年は月に1回、お客様より定期的にお問い合わせをいただいている内容について、実際に実験を行い、その結果をご紹介しております。
今回のテーマは、「補償導線で温度計測は出来るのか」です。
■テーマ
補償導線で温度計測は出来るのか。
〇仮説
温度は表示されるが、正しい値ではない。
〇使用製品
①K型熱電対用補償導線KXタイプ
②K型熱電対用補償導線WXタイプ
③K型熱電対用補償導線VXタイプ
※今実験では製品の被覆最高使用温度を超えるため、被覆を剥離しセラミックヤーンスリーブ(CERAC-SL)にて絶縁しています。
〇検証方法
小型校正炉(ドライウェル)にて100℃~500℃まで100℃ずつ測定する。
(室温 24℃、湿度 61%)
※結果における上記値は、あくまでも今回の実験結果の値であり、保証値ではありません。
〇考察
今回の実験結果より、補償導線は高温になるほど誤った値を表示する事が確認された。
補償導線は、補償接点よりも高い温度で使用すると、JIS許容差以上の温度誤差が発生します。絶対に補償接点温度以上での使用しないでください。
エクステンションタイプであるKXタイプは、熱電対導体と同じ金属構成を使用していますが、補償導線として熱起電力調整を行っております。このため、KXタイプにおいても補償導線を熱電対の代わりに使用することは推奨できません。
今回の実験はNinomiya通信の読者の方より、今回のテーマへのリクエストがあり実験を行いました。弊社製品に関する実験のリクエストがございましたら、当ホームページ上部にございます「お問い合わせ」フォーマットよりリクエストをお願いします。
次号もお楽しみに。