実験コーナー
2021.03.10
2021年は月に1回、お客様より定期的にお問い合わせをいただいている内容について、実際に実験を行 い、その結果をご紹介しております。 今回のテーマは、「熱電対の型(エレメント)を間違えて測定した場合の温度測定について」です。
■テーマ 被覆熱電対線と補償導線の型が異なったものを使用した場合どのような温度を表示するか。
〇仮説 正しい値が表示されず、誤った温度を示す。
〇使用製品
・被覆熱電対線 シート状熱電対 NSP‐K-P02
・コネクタ 熱電対専用コネクタ「ツインター」ミニチュアタイプ
・補償導線(今回は被覆熱電対線を補償導線代わりに使用する。)
①0.32×1P K‐2‐6F‐J2(従来品名:K‐6F)(被覆色:青) (コネクタ:NDP‐T02‐KA→黄)
②0.32×1P T‐2‐6F‐J2(従来品名:T‐6F)(被覆色:茶) (コネクタ:NDP‐T02‐TA→青)
③0.32×1P J‐2‐6F‐J2(従来品名:J‐6F)(被覆色:黄) (コネクタ:NDP‐T02‐TA→黒)
〇検証方法 (1):200℃に熱したホットプレートにシート状熱電対(NSP-K-P02)を貼り付ける。
(2):シート状熱電対(Kタイプ)と補償導線を接続する。
①補償導線Kタイプと接続(正しい接続)
②補償導線Tタイプと接続(誤った接続)
※同じ青色のコネクタですが熱電対の型が異なります。
③補償導線Jタイプと接続(誤った接続)
(3):(2)の①~③を使用して温度測定を行う。 〇シート状熱電対のみで温度測定を行う(今回の基準値→182.1℃)
①補償導線Kタイプと接続(正しい接続) (基準値との差:約‐1℃)
②補償導線Tタイプと接続(誤った接続) (基準値との差:約‐17℃)
③補償導線Jタイプと接続(誤った接続) (基準値との差:約+33℃)
〇考察 今回の実験結果より、熱電対の型式と異なる補償導線やコネクタを使用した場合、計器に誤った 温度表示される事が確認された。
熱電対を用いて温度計測する際、補償導線やコネクタを使用して計器まで配線する場合は、今回の実 験を参考にして頂き、必ず同じ型式の補償導線やコネクタをご使用ください。
次号もお楽しみに。